子どもが思春期になると、親は子どもに「どう声をかけたらいいのか?」、「どうかかわったらいいのか?」、とても難しく感じるものですね。一方、子どもたち自身も、「学校の仲間とどう付き合っていくのか?」、「本当は自分がどうしたいのか?」、答えの見つからない悩みや不安を抱えています。時として子どもたちは、「ヤバくなったら、いつでもリセットすればいい」と考えて、インターネット空間に設られたワールドに飛び込み、そこを居場所にします。インターネット空間は、狭い生活圏での人間関係とは違って、しがらみがないコミュニュケーションによる開放感やある種の癒しも感じることがあるでしょう。しかしながら、インターネット空間の別側面は、子どもには善意と集客目的の区別がつきにくいビジネスのための施策がほどこされていたり、密かに自分の欲望を満たしたいという思惑を持った人たちによって周到に仕組まれた罠も混じっています。そのような混沌としたインターネット空間の中で、「ヤバいからリセットする」という判断は子どもたちにとって意外と難しいことのように思われます。
我が子の異変に気づき、親として適切な声がけをする。とても簡単なようで実はとても難しいことです。仮に声がけしたくても、顔を合わせるだけで面倒くさそうな表情をされたり、何気ない日常のやりとりへの返答がかったるそうな声のトーンだったりすると、「気分が悪くなりそうだから、今は話しかけるのをやめておこう」と親は思ってしまうものです。
そのような中で子どもたちは、新たな思春期の問題に直面しているかもしれません。
家族や学校の仲間うちのコミュニケーションより、インターネット空間での葛藤フリーなやりとりを好み、スマホの利用時間が長くなります。
学校の仲間うちのSNSにおいて、本人が知らない間に仲間はずれにされたり、一方的な多数決の原理で居場所を奪われると、ひきこもります。
学校に居場所がなくなると、学習意欲や物事への関心がなくなってしまいます。その結果、楽しいことがない学校には行く気がなくなります。
子どもが学校不適応の状況であったり、何かしらの不安や悩みを抱えていそうに見える時、子どもに声をかけようと思うのは、普通の親ごころです。しかしながら子どもも小学校高学年にもなると、親の言うことやアドバイスを聞かなくなります。ましてや親御さんが子どもさんを説得し、ご一緒に相談室に来るということは、ほぼ無理でしょう。このようにして問題は塩漬けとなり、一層こじれていきます。そのような時、まずは親御さんが相談員と問題の状況を仕分けし、本当の問題は何かと整理してみることから始めるとよいと思います。
心を閉ざしている子どもさんに対して、「どう声がけし、どうかかわっていくのがよいのか」、助言を行い、その助言の実行をサポートします。子どもさん自身が「相談を受けたい」という意欲が明確になれば、子どもさんのアセスメント(心理的、社会的な状況分析)と助言を行います。場合により継続的な相談助言も提供します。
【主な相談内容】
スマホの長時間利用を伴うひきこもり、いじめの問題、進級進学問題
トラウマ体験に苦しむ子どもさんと保護者のかたを対象としたプログラムです。保護者のかたの相談を十分に行い、「トラウマ体験の苦痛から解放されたい」という子どもさんの希望がでた時点で、子どもさんとトラウマに特化したアスセメントセッションを持ちます。アセスメントの結果によっては、トラウマ体験の苦痛の解放に効果があるとされる技法を提案します。
私たちは提供するサービスの質を担保するために、相談員への厳しい採用基準を設けています。
①公認心理師と臨床心理士の資格保持者
②児童期から青年期の子どもたち、およびその保護者への十分な床経験(最低25年以上)を持っていること
③専門書や専門領域での学術論文を5つ以上所持していること
④使用する技法については、学会水準で認証された継続的な専門研修を修了し、修了証を所持していること
⑤リスクのアセスメントとマネージメントができること
各サービスはすべて1ユニット30分¥5,000-を基本としています。サービス料金のお支払いは、サービスを受けた後速やかに、弊社の法人口座へお振り込みいただきます(振込手数料が別途かかります)。相談の頻度(例えば、「月1回でお願いしたい」「毎週来たい」等)や相談の進め方(「2回目以降はオンラインを希望する」「チャットや電話での相談はできないか」等)はお問い合わせください。状況に応じて無理のない提案をいたします。
思春期・青年期は、自分と他人との距離感が難しく、重なり合った集団心理の中で自分を見失いやすい時期です。子どもたちにとって今を生き抜くことそのものが大変な時期と言えるでしょう。悩んでいるであろう子ども、困っているであろう子どもを側からどう支えていくかについては単純な答えが出せないものです。また親が子どもを思う気持ちもいろいろな形があるでしょう。世の中で言われている解決方法がわが子やわが家に当てはまるわけではありません。そのような中で最も大切なことは、まずは保護者のかたの心持ちが軽くなることです。そのためには、思春期の問題について専門的知識と技能を持った相談員とよく話をすることが一番です。囲碁で言うところの傍目八目(おかめはちもく)です。相談員と一緒に今起きている問題を仕分けし、整理ししていくと、なんだか心もちが軽くなったような気分になります。すると、子どもへの見方が変わり、子どもと親の関係がこじれたところまで素直に立ち戻ることができます。そして、「あーそうなんだ!」と膝を打つようなことが見えてくるものです。
私たちの相談室は、「子どもをよく見て、しっかり待って、もう一度子どもとの関係をまなびほぐす」お手伝いをいたします。